日本では政府も企業もほとんど議論しないが……(『FT』当該記事より)
 

「More Energy, Less Carbon」という課題に直面して、数十年後の会社のあるべき姿について「ロイヤル・ダッチ・シェル」(以下、シェル)の経営幹部が議論をした、という記事を読んで、筆者はある種の眩暈を覚えた。

 1つは、「More Energy, Less Carbon」という人類レベルの課題を、「シェル」の経営陣が一企業の経営課題として受け止めている、という事実に、である。

 もう1つは、この経営課題に取り組むために、経営幹部が集まって数十年後の会社のあるべき姿について議論をした、という事実、である。

 この2つとも、我が日本では空理空論のように受け止められているのはなぜなのだろうか?

 若干、旧聞に属するが、ドラッグストア「ココカラファイン」を巡る「マツモトキヨシホールディングス」と「スギホールディングス」による買収・合併合戦がニュースとなっていたころ、なぜ両社の株主にとっての利害損得は議論、報道されないのだろうか、と疑問に思ったことがある。各社の現有市場シェアだとか、得意な商品分野、地域などの分析も重要だが、会社合併等で影響を受けるのは一義的には株主ではないのだろうか?

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