昨年12月、パナマを訪問した習近平主席(C)AFP=時事

 

 先月、太平洋のソロモン諸島とキリバスが相次いで台湾と断交し、中華人民共和国(以下、中国)を承認した。台湾で蔡英文総統が就任してから7カ国が台湾と断交し、台湾承認国は15となった。

 中南米にはこのうち9カ国があり、台湾にとって最後の牙城とも言える地域である(9カ国とはグアテマラ、ベリーズ、ホンジュラス、ニカラグア、ハイチ、セント・クリストファー・ネービス、セント・ビンセント、セント・ルシア、パラグアイで、その他の台湾承認国はアフリカに1つ、欧州に1つ、大洋州に4つある)。

 中南米は、中国の国連加盟(台湾の脱退)後も多くの国が台湾を承認し続けてきた地域だったが、最近ではパナマ(2017年)、ドミニカ共和国及びエルサルバドル(2018年)が台湾と断交し、中南米33カ国中24カ国が中国との国交樹立に切り替えてきた。

 近年、中国の外交攻勢が目立つこのような中南米と中国の関係を振り返ってみたい。

昔は「こんにちは」今は「ニイハオ」

 言うまでもなく、台湾承認国を切り崩して台湾の孤立化を進めるのは、「中国の夢」の主要な柱である国土の統一にとって重要な戦略だ。

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