左=パナソニックHP、右=ソニーHP
 

 リーマン・ショックで日本のエレクトロニクス産業が総崩れとなり、「第2の敗戦」と呼ばれたのは10年前。「サムスン電子」や「LGエレクトロニクス」など韓国勢に薄型テレビの世界市場の主導権を奪われたのは、象徴的な事例だった。

 プラズマや液晶パネルを含むテレビ事業の巨額損失を主因に、2012年3月期には「パナソニック」が7722億円、「ソニー」が4567億円の連結最終赤字を計上した。両社の経営トップは退場を迫られ、それぞれの後継者によって会社を半ば解体するという、熾烈なリストラによってようやく業績は回復。2019年3月期は共に最高益を更新するに至った。

 ところが、その勢いも続かない。パナソニックは、鳴り物入りで始めた米「テスラ」との自動車用電池合弁事業が軌道に乗らず、ソニーも稼ぎ頭のゲームや半導体の需要がピークアウトしつつある。次世代の収益の柱を提示できない両社に株主の視線は厳しく、パナソニックの津賀一宏(62)、ソニーの吉田憲一郎(59)の両社長には憂鬱な日々が続く。

テスラとの「車載電池」協業

「自動車関連を中心に増収増益の定着を目指したが、利益が大きく下回った。成長軌道に戻さなければならない」

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