「ウクライナ疑惑」をめぐる攻防は続いているが……(C)AFP=時事
 

【ワシントン発】 2020年11月3日に投開票が行われる次期大統領選挙まで約13カ月となり、民主党大統領候補者によるテレビ討論会も3度開催された。

 また、ドナルド・トランプ大統領も、接戦が予想されている中西部ペンシルベニア州をはじめとする激戦州での大統領再選キャンペーンを展開し、2020年大統領選挙キャンペーンに大きな関心が注がれ始めていた。

 そうした中、「ウクライナ疑惑」を巡り、現在、米議会下院ではトランプ大統領の弾劾訴追の開始に向けた調査が、下院情報特別委員会や下院外交委員会、下院監視・政府改革委員会などにより本格化している。

可能性低い「大統領の罷免」

 野党・民主党が多数党の立場にある下院(定数435名)では、民主党下院議員の間でトランプ大統領の弾劾訴追に対する支持が着実に増大しており、弾劾訴追に必要となる過半数の賛成を確保する可能性は高いと考えられる。

 だが、連邦最高裁判所長官が裁判長を務めることになる上院(定数100名)での弾劾裁判については、上院の現有議席は共和党会派53、民主党系会派47(無所属2議席含む)となっており、民主党系会派の全員がトランプ大統領の弾劾を支持した場合、弾劾に必要な採決出席議員の3分の2以上に達するには、与党・共和党から最低20名の上院議員が離反して弾劾を支持する必要がある。

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