ユージン・スカリア労働長官

執筆者:足立正彦2019年10月11日
 

51. ユージン・スカリア労働長官(56)

 ヘッジファンドマネジャーで富豪のジェフリー・エプスタイン氏が今年7月、複数の少女買春などの疑いで逮捕・起訴され、翌8月に、拘留中のニューヨーク州の拘置所で自殺した事件は、同氏が英国王室やドナルド・トランプ大統領とも親交があったとされていることから、全米で大きな話題となった。

 同氏は2006年にもフロリダ州で同様の容疑で逮捕・起訴されており、2008年に禁錮1年6カ月の判決が言い渡されていた。ただし、その際の担当検事が同氏と司法取引を行ったことで、実質的に13カ月で出所していた。

 その担当検事だったのがアレクサンダー・アコスタ労働長官であり、エプスタイン氏が再び同様の容疑で逮捕されたことで、当時の司法取引について世論や野党・民主党からの批判が集中したことを受け、アコスタ労働長官は7月に辞任に追い込まれた。

 その後任に指名されたのがユージン・スカリア氏である。

 上院での指名承認公聴会を経て、9月26日、上院本会議場における指名承認採決で賛成53票、反対44票の賛成多数で正式に承認され、9月30日に第28代労働長官に就任した。

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