ドナルド・トランプ政権はウクライナ政府に圧力をかけて2020年大統領選に介入させようとしている――。
CIA職員によるものとされる内部告発に端を発した「ウクライナ疑惑」は、『ワシントンポスト』のスクープによって明るみに出て以降、「トランプ・ゼレンスキー電話会談」の書き起こし公表、内部告発状公表、関係者のテキストメッセージ公表と4つのフェーズを経て、今日も拡大中だ。
弾劾に慎重だった民主党のナンシー・ペロシ下院議長も重たい腰を上げ、目下、下院委員会で調査が進められている一方、ホワイトハウスは10月8日、調査への協力を拒否する意向を表明。火に油を注ぐ事態となっている。
当初は「魔女狩りだ!」「でっちあげだ!」と息巻いていたトランプ大統領もさすがに分が悪く、翌9日に「公平なルールのもとでなら協力する」と軌道修正せざるを得なかったようだ。
そこで、疑惑のポイントを踏まえつつ、トランプ大統領の変節ぶりをご紹介したい。
「あなたに頼みがある……」
まず、ウクライナ疑惑の中心にあるのが、7月25日に行われたトランプ大統領とウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領との電話会談である。
記事全文を印刷するには、会員登録が必要になります。