14日に開会した議会で慣例によって政府の施政方針(すなわち期限通りのブレグジット)をエリザベス女王が読み上げたが……(C)AFP=時事
 

 いよいよ10月31日に期日を迎える英国のEU(欧州連合)離脱「ブレグジット」だが、この段階でもいまだ混迷を極めている。

 10月2日、ボリス・ジョンソン首相は「合意なき離脱」を回避するための新たな提案を行った。9月初旬に、野党の反論批判を封じ込める狙いで離脱期日直前の10月14日まで議会を閉鎖する措置を取っていた。が、最高裁判所が9月24日、この措置を違法と判断。翌25日に再開した下院で首相は、「(議会は)離脱を見守るか、(政権の)不信任動議を出して国民の審判を仰げ」と迫った。しかし議会はすでに、ジョンソン首相による総選挙動議を9月4日と10日の2度にわたって否決している。

 10月17、18日に開催されるEU首脳会議で英政府の離脱協定案が承認されなかった場合、ジョンソン首相には、EUに対して3カ月の離脱延期を求めることが法律で義務付けられた。9月9日に成立した「離脱強硬阻止法・離脱延期法(EUとの合意が成立しない場合には、首相は2020年1月31日まで離脱延期をEUに申請する義務を定めた)」である。

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