80歳という高齢だけに「Xデー」と「後継者争い」が取り沙汰されているハメネイ師(C)AFP=時事
 

「反腐敗運動」というものは、政敵を倒す目的で行うもののようだ。

 中国然り、サウジアラビア(以下、サウジ)然り。

 そして、イランでも同じような展開となっていると『フィナンシャル・タイムズ』(FT)が報じている。

 これまた世界で共通なことかもしれないが、「時間」というものが政治情勢を動かす大きな要因となっている。

 正確に言えば、最高位の指導者の寿命が尽きる時がその時だ。

「その時」は突然やってくるというより、ある程度の準備期間の後にやってくる。その準備期間中の動きが「Xデー」以降の権力継承に大きな影響をもたらす。

 サウジ然り、イランも然りである。

『FT』記事によると、現在イランで進行中の「反腐敗運動」は、来年の総選挙、2021年の大統領選、さらに「いつ」かは分からぬが「最高指導者」の「Xデー」を睨んでの動きなのだそうだ。

 だが、と筆者は思う。

 この記事を読むまでもなく、米国トランプ政権の対イラン政策は完全な的外れではなかろうか。

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