放火されたバルセロナ中心部の様子を報道する現地紙(筆者提供、以下同)

 

 10月14日、この日を境にカタルーニャ(スペイン)の、のどかな風景は一変してしまった。この数日、日中は辛うじて都市機能を保っているものの、夜になると街のあちこちで自動車やゴミ箱が放火され、勢いよく火の手が上がっている。警察と独立派のデモ隊が激しく衝突を繰り返しているため、火炎瓶を投げつける音やパトカーのサイレン、ヘリの轟音が響き、火の粉や煙の匂いが立ち込めて、見慣れたバルセロナの街は、まるでどこかの紛争地域かと見紛うようだ。

暴徒のほとんどが若者

 スペイン国内では、「非常事態を宣言し、再びカタルーニャ政府の自治権を停止すべきだ」と、ペドロ・サンチェス首相に迫る意見も出てきている。

 騒乱の始まりは、10月14日朝、独立を問う住民投票を、憲法に違反して強行したカタルーニャ州政府前閣僚ら9人に対する最高裁判決だ。罪状は「暴動」と「公金の不正使用」で、それぞれ9~13年の実刑判決となった。

 この判決に対して、カタルーニャで抗議の声が上がることは、当然予想されていた。しかし実際に起きたことは、想像の範囲を超えていた。

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