『水道崩壊』世界の「いま」日本の「これから」(1)なにごとにも寿命がある
2019年10月23日
あなたがマンションを保有して、そこに住んでいるとする。数十年経ったある日、ビル建築のプロと称する人間から、「あなたのマンションは老朽化し、倒壊の危険性がある。思い切って取り壊し、新しいマンションを建てましょう」と伝えられる可能性は高い。ところが、一軒家なら想像しやすいが、マンションというのは、ロビーとエレベーター、自分の部屋以外、いったいどのようにできているのか見たことがある人は、実は少ない。日々行き来する場所にしか想像力が働かないのだ。
多くの場合、新しく建てて住むことが多く、マンションが老朽化して倒壊する危険性のある代物に変わるなどと、僕たちの脳はとても想像できないのだ。ちなみに、日本のマンションの多くは高度経済成長期に建てられたもので、寿命が約50年ほどだ。
いったいどういうことが起こるのだろう。
「マンションを買うときに、モデルルームで修繕積立金についての説明を受けて、真面目にそれを支払ってきた」と言う人がいるかもしれない。けれども、毎月毎年修繕を行っていれば未来永劫使用できるのだろうか。外壁やエレベーターの工事はできても、躯体の鉄筋コンクリートは必ず風化し、劣化していく。ではいつ建て替えるのか。その時、自分の区分所有権はどうなるのか。多くの人たちは、実はこうして、不安定な住まいに生きている。
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