ネタニヤフやはり組閣できず

執筆者:池内恵2019年10月22日

10月21日夜、イスラエルでベンヤミン・ネタニヤフ首相が、9月17日投票のやり直し総選挙結果に基づく連立内閣の組閣を断念したことをリューベン・リブリン大統領に告げた模様だ。

4月9日投票の総選挙でネタニヤフの与党リクード党は、ネタニヤフ政権からの離反者を多く含む野党「青と白連合」と同数の35議席(総議席数120)で第1党の座をかろうじて維持し、党首のネタニヤフにリブリン大統領から組閣の依頼が出たが、5月末までに期限延長をしても61議席以上を確保する連立合意を得られず、再選挙に持ち込んでいた。

9月17日の投票で「青と白連合」は33議席、リクード党は32議席で第1党の座を奪われ、ネタニヤフの敗色がさらに濃厚になっていた。

しかし9月22日に「青と白連合」党首のベニー・ガンツ元参謀総長の首班指名に支持を表明したアラブ政党連合「統一リスト」の13議席のうち、 バラド党の3人の議員がガンツ支持の保留を表明した。8議席を獲得した極右の「イスラエル我が家」のアヴィグドール・リーベルマン元外相・国防相は、ネタニヤフを拒絶する態度を変えず、かつ「青と白連合」にも支持を出さず、キャスティングボートを手中に保った。

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