ベネズエラが理事国に選出された日、野党政治家の遺体が発見され、特殊部隊「FAES」による殺害が疑われている(C)AFP=時事

 

「驚いた」というよりは、「やはり」というべきであろうか。

 中南米の周辺諸国や欧米諸国の非難の中で守勢に立たされてきたベネズエラのニコラス・マドゥロ政権が10月17日、国連総会における「国連人権理事会」の改選投票で、理事国の議席を確保したことである。

 中南米地域に割り当てられている8議席は毎年2~3議席ずつ改選されるのだが、2019年7月の国連人権高等弁務官による報告で甚大な人権侵害の実態が明らかにされたばかりにもかかわらず、今回改選を迎えた2議席(これまではブラジルとキューバが保持)をブラジル、コスタリカと争い、105票を得票。ブラジル(153票)には敗れたものの、コスタリカ(96票)をおさえて選出された。

 ブラジルとコスタリカはマドゥロ政権に反対の立場を取る「リマグループ」に属し、フアン・グアイド暫定大統領を支持している。スペインの『エルパイス紙』など外電によれば、2018年まで議席を保持したベネズエラのマドゥロ政権は、中国、ロシア、キューバの他に、非同盟諸国の支持を集めたと指摘されている。

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