10月24日、首相官邸を訪れて安倍首相と握手を交わす李洛淵韓国首相(左)(C)時事

 

 それは、「李洛淵(イ・ナギョン)さんらしい配慮が行き届いていた」という。即位礼正殿の儀への参列のため来日した韓国の李洛淵首相の振る舞いのことだ。

 徴用工問題を巡って厳しく対立する日韓。知日派として知られる李首相だが、韓国国内で事態打開に向けて身動きが取れないのは、「聖域化」する司法の存在がある。

学生の名前を呼んだ首相

 李洛淵首相は、安倍晋三首相との会談を翌日に控えた10月23日、東京・港区の慶應義塾大学を訪れ、学生たちとの対話に臨んだ。韓国政府からの依頼を受けてこの対話を準備し、当日は司会にあたった法学部の西野純也教授によると、李首相は会場に入ると20名の学生ひとり一人と握手を交わし、質疑応答では質問する学生の名前を確認しながらメモを取り、回答する際には名前を呼んでから話を始めたという。終了後には学生に名刺まで配った。

 李洛淵首相は韓国の有力紙『東亜日報』の元東京特派員で、1990(平成2)年に行われた現上皇の天皇陛下即位の礼も取材した。自他ともに認める知日派だ。去年10月に韓国大法院(最高裁判所)が徴用工を巡る裁判で、原告の元徴用工側の訴えを認め、被告の日本企業に損害賠償を命じる確定判決を言い渡したが、これに日本が強く反発する中、自らは解決に乗り出そうとしない文在寅(ムン・ジェイン)韓国大統領から対応を一任された経緯がある。

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