徴用工問題:知日派「韓国首相」に立ちはだかる「壁」

執筆者:塚本壮一 2019年10月26日
エリア: 朝鮮半島 日本
10月24日、首相官邸を訪れて安倍首相と握手を交わす李洛淵韓国首相(左)(C)時事

 

 それは、「李洛淵(イ・ナギョン)さんらしい配慮が行き届いていた」という。即位礼正殿の儀への参列のため来日した韓国の李洛淵首相の振る舞いのことだ。

 徴用工問題を巡って厳しく対立する日韓。知日派として知られる李首相だが、韓国国内で事態打開に向けて身動きが取れないのは、「聖域化」する司法の存在がある。

学生の名前を呼んだ首相

 李洛淵首相は、安倍晋三首相との会談を翌日に控えた10月23日、東京・港区の慶應義塾大学を訪れ、学生たちとの対話に臨んだ。韓国政府からの依頼を受けてこの対話を準備し、当日は司会にあたった法学部の西野純也教授によると、李首相は会場に入ると20名の学生ひとり一人と握手を交わし、質疑応答では質問する学生の名前を確認しながらメモを取り、回答する際には名前を呼んでから話を始めたという。終了後には学生に名刺まで配った。

カテゴリ: 国際 政治
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執筆者プロフィール
塚本壮一 桜美林大学教授。1965年京都府生まれ。慶応義塾大学法学部政治学科を卒業後、NHKに入局。報道局国際部の記者・副部長として朝鮮半島の取材・デスク業務に携わり、2002年の小泉首相訪朝など北朝鮮・平壌取材にもあたった。2004年から2008年まで北京に駐在し、北朝鮮の核問題をめぐる六者会合や日朝協議で北朝鮮代表団の取材を担当。2012年から2015年まではソウル支局長として、李明博・朴槿恵両政権下で悪化した日韓関係や、旅客船セウォル号事故などを取材した。ニュース「おはよう日本」の編集責任者、解説委員を務め、2019年に退局後、現職。
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池内恵の中東通信

池内恵(いけうちさとし 東京大学教授)が、中東情勢とイスラーム教やその思想について日々少しずつ解説します。

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