韓国ベストセラー1位、朴槿恵「獄中書簡本」の熱烈な言葉と閉じた世界

執筆者:塚本壮一 2022年1月26日
タグ: 韓国 大統領選
エリア: アジア
朴槿恵前大統領の新刊『恋しさは誰にでも生まれるものではありません』はベストセラーに
釈放された朴槿恵前大統領の獄中書簡本が売れている。朴正煕の娘としての強烈な自負と社会への無関心だけが交錯する本をベストセラーに押し上げたのは、文在寅政権で周縁へと追われた保守の反発エネルギーなのではないか。

「国政を壟断した」などとして弾劾されて大統領職を罷免され、収賄などの罪で有罪判決を受けて服役していた韓国の朴槿恵(パク・クネ)前大統領が、昨年暮れ、健康状態を理由に恩赦を受けて釈放された。

 その朴槿恵氏が収監中に記した書簡をまとめた書籍『恋しさは誰にでも生まれるものではありません』(原題『그리움은 아무에게나 생기지 않습니다』)が、恩赦と重なるタイミングで出版され、年明けから3週連続1位というベストセラーを記録している。

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カテゴリ: 政治 社会 カルチャー
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執筆者プロフィール
塚本壮一(つかもとそういち) 桜美林大学教授。1965年京都府生まれ。慶応義塾大学法学部政治学科を卒業後、NHKに入局。報道局国際部の記者・副部長として朝鮮半島の取材・デスク業務に携わり、2002年の小泉首相訪朝など北朝鮮・平壌取材にもあたった。2004年から2008年まで北京に駐在し、北朝鮮の核問題をめぐる六者会合や日朝協議で北朝鮮代表団の取材を担当。2012年から2015年まではソウル支局長として、李明博・朴槿恵両政権下で悪化した日韓関係や、旅客船セウォル号事故などを取材した。ニュース「おはよう日本」の編集責任者、解説委員を務め、2019年に退局後、現職。
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