「疑惑」が「事実」に変わりつつある(C)AFP=時事

 

 現在、米下院で行われているウクライナ疑惑を巡る弾劾調査は、10月22日に行われたウィリアム・テイラー駐ウクライナ代理大使(72)の証言によって、新しいフェーズに突入した。

 ウクライナ疑惑は、ドナルド・トランプ米大統領がウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領との7月25日の電話会談で、軍事支援と引き換えに政敵のジョー・バイデン前副大統領父子を捜査するよう圧力をかけたとされるもの。これに対して、ホワイトハウスは、あくまでも「捜査と軍事支援は“交換条件(quid pro quo)”ではなかった」として事態の収拾を図ってきた。

 しかし、テイラー代理大使が詳細な経緯を記した冒頭陳述書を提出。これによって、ゼレンスキー大統領が捜査を明言することが軍事支援と首脳会談の条件になっていたこと、さらにトランプ大統領の顧問弁護士であるルドルフ・ジュリアーニ元ニューヨーク市長ら「非公式チャネル」がウクライナ側との交渉を率いていたことなど、その内幕が浮き彫りになった。

 以下は、今後の弾劾調査で重要な証拠となるに違いない冒頭陳述の全訳である。

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