台風19号の暴風雨で千葉県では多くの家屋が倒壊した(C)時事
 

 これまで多くのメディアや専門家が、老朽化したインフラの危険性について警鐘を鳴らしてきた。たとえばトンネルが倒壊したり、たとえば水道配管やガス配管が破裂することにより、人や建物などが被害を被る可能性や、交通が麻痺することによる経済的な損失についてである(漏ガスなどによる環境への影響を危惧する声もある)。

 周知のとおり、2019年9月に発生した台風15号の影響で、千葉県南部でおよそ17万戸に停電が発生し、復旧に2週間以上を要することになった。

 当時の状況について、『日本経済新聞』電子版(2019年9月14日)によれば、被害が広がった背景として、想定外の強風に加え、送電設備の老朽化が原因であると指摘されているとのこと。送電線の鉄塔は70年代に建てられたものが大部分を占める。倒壊し、10万戸の大規模停電につながった千葉県君津市の鉄塔は、1972年に完成したものだそうだ。

 そして、続いた台風19号でさらに復旧が困難になっているところ、追い打ちをかけるように襲来した10月25日の集中豪雨では台風以上の被害が発生したとも聞くが、問題点もそのままになっているのではないだろうか。アメリカでも報道されたほどでお見舞い申し上げたい。

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