シリアをめぐる大国間の新たな勢力均衡

執筆者:池内恵2019年11月3日

ロシア出張の途中で、各地を転々としながら書いているのだが、昨夜の「国際政治ch」の感想をもう1つ。

「国際政治」をテーマにしたチャンネルを立ち上げるというのは、制作会社の方にとって容易なことではなかったはずである。みたところまったくのテレビ業界人で、芸能やバラエティには強いが、アカデミックなことには全く無縁で、政治や国際政治など全く関心がなかったとみられる運営会社の代表だが、ふとしたことからチャンネル立ち上げのコアメンバーに注目して、強い意志で実現させた後、毎月怒涛のごとく知識を仕入れて、最近はかなり的確にテーマ設定、番組構成、資料まとめをやってくれる。

こういった専門家と一般聴衆をつなぐメディア人の役割は重要である。専門家も、無知なメディア業界人のしばしば極めて失礼な接触に不快感を感じるだけでなく、やる気になった人には積極的に情報や場をもたせて、口幅ったい言い方だが「育てて」いかないといけない。逆に専門家もメディア業界人とのやり取りの中で触手を伸ばして「育つ」のである。

11月2日の番組では、シリア問題について、運営さんは「あまりにも展開が早くて分かりにくい」と頭を抱えながら、的確な年表(実際は10月の1カ月だけの「日表」だが)を作ってくれた。若干修正した上で下記に転載する。

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