景気の行方は中国人訪日客の動向次第?(写真はイメージです)
 

 アベノミクスの効果とみられていた「3つの効果」にいずれも黄信号が灯ってきた。

 3つとは、まず、大胆な金融緩和による円高修正で訪日外国人客が急増、インバウンド消費が盛り上がったこと。2つ目は、最低賃金の引き上げや「官製春闘」と言われながらの賃上げ要請で、大企業を中心に賃金上昇の兆しが出ていたこと。そして3つ目が、就業者数も雇用者数も過去最多という労働環境の改善である。

 そのいずれもが、ここへきて急速に失速しているのだ。

国境の税関検査も影響

 第1のインバウンド消費は、明らかに転換点を迎えている。2019年7月の訪日客数は299万1189人と単月としては過去最多を記録したものの、対前年同月比の伸び率は5.6%である。2018年7月を最後に、以降、2ケタの伸びが途絶えて久しく、2019年8月にはついに2.2%のマイナスを記録した。

 7月と8月は中国からの訪日客がそれぞれ100万人を突破したが、日韓関係の冷え込みで韓国からの訪日客が激減していることが響いている。

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