ジョン氏とフェザンツ・ティアーズ

 

 ジョージアではいま、高位聖職者の罷免騒動や憲法修正案の否決と大規模デモの発生など、大きな事件が相次いでいる。また、紛争地域の南オセチアでも著名な医師が分離派政府に拘束されるなどしており、情勢悪化の懸念も一部見られる。来年には総選挙も控えているだけに、今後の動向は要注意である。

 一方で日本では、ラグビーや世界無形文化遺産に登録されたクヴェヴリワインなどを通じて、ジョージアの豊かな伝統と人間性溢れる文化への理解が広まりつつある。筆者の周りでも、現地を訪れてその魅力に直接触れた人びとが着実に増えている。

 現在公開中の映画『ジョージア、ワインが生まれたところ』(エミリー・レイルズバック監督作品、配給アップリンク)は、ジョージア・ナチュラル・ワインの代表的な作り手が数多く登場し、トラベル・ムービーとしても出色の出来で必見だ。

 映画にも登場する作り手で、ジョージア・ワインを世界に広めた功労者でもあるジョン・ワーデマン5世が公開に合わせて来日し、10月30日に国際文化会館で講演を行った。

 はじめに、彼のワイン造りの最良の理解者でもある輸入元「ノンナアンドシディ」代表の岡崎玲子氏が挨拶し、その後、ワーデマン氏が1時間半にわたって(筆者による通訳時間等も含む)熱弁を振るった。

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