金融機関が集中する香港のセントラル地区

 

 政府への抗議行動が収まらない香港では、11月24日に区議選が行われ、18区議会合計452議席のうち、8割を超す388議席を政府に批判的な民主派が獲得した。政府への抗議デモに香港市民が支持を与えた格好で、民主派と香港政府の対立は長期化が避けられない見通しとなった。

 週末を中心に続けられてきた抗議活動に対して政府が今後どんな対応を取るのか、予断を許さない。政府が強硬姿勢を崩さない場合、さらにデモが過激化し、香港社会が大きく揺れることになりかねないからだ。

シンガポールへ、あるいはスイスへ

 そんな中、世界が注目しているのは、香港が金融センターとしての地位を守れるかどうか。中国政府が強硬策に出て香港市民の自由を制限することになれば、「自由」を求める世界のマネーが香港から逃げ出すことになる。

 11月4日の『ロイター』日本語サイトは、「香港金融管理局(HKMA=中央銀行に相当)は4日、香港の金融システムは磐石でドルペッグ制を変更する必要はないと表明し、抗議デモの影響で金融の安定性が低下しているとのうわさを否定した」と報じた。抗議活動への警察の介入などが激しさを増している中での会見で、「第3・四半期に香港銀行システムから顕著な資金流出は起こっていないと述べた」とも伝えている。

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