インタビュー映像はYouTubeでも視聴できる(「60ミニッツ オーストラリア」より)

 

 昨年秋、筆者は台湾の内閣に当たる「台湾行政院」の「資通安全処(情報通信安全局=サイバーセキュリティ局)」で局長を務める簡宏偉氏に話を聞く機会があった。

 簡局長は、中国が「サイバー攻撃の実験場」だと見なしている台湾のサイバーセキュリティ政策を取り仕切るトップである。

 すぐ後に台湾の統一地方選挙(2018年11月24日)を控えていた簡局長は、こう語っていた。

「台湾では間もなく統一地方選挙がありますが、虚偽の情報(フェイクニュースなど)を広めるキャンペーンが行われている。メディアの記事にも紛れ込んでいます。これらの工作が中国から行われていることは、はっきりと把握しています。しかも虚偽の情報は、中国本土からではなく、台湾国内のメディア関係者や台湾人から発信されている。私たちは、サイバー空間での捜査などを行っていて、彼らが台湾に入った中国の工作員などを通して中国政府から金銭的な支援を受けていることも突き止めています」

 統一地方選挙では、中国の工作が奏功したのかどうかはわからないが、結果的には中国と距離を置く与党「民進党」が劣勢で終わった。

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