迷走混迷「ブレグジット」総選挙までの「水面下」ドキュメント(中)
2019年12月4日
アイルランド首相レオ・ヴァラッカーとボリス・ジョンソン英首相の会談によって突如開けた英EU(欧州連合)間の交渉は、その後両者の間で細部を詰める作業が続けられた。つい先日まで八方ふさがりだった状況が、打開に向けて大きく動き出しているのは明らかだった。ただ、その詳細は明らかにされないまま、舞台はブリュッセルでの欧州理事会(EU首脳会議)に移り、交渉が大詰めを迎えた。
悲痛な表情のユンケル
フランスの『ルモンド』などによると、会議前夜の10月16日夜、両者は大枠で合意に達していた。しかし、ピザを手に徹夜で折衝して迎えた翌朝、今度はその合意が英国内で承認されないのでは、との疑念が強まった。午前中の協議の末に、結局合意が成立したという。
「私たちは、主権を取り戻すための素晴らしい新合意に達した」
ジョンソンはツイッターでこう述べた。彼は続いて、欧州委員長ジャン=クロード・ユンケルとともにブリュッセルで記者会見を開いた。
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