首都が移転される東カリマンタン州クタイ・カルタヌガラ県(C)EPA=時事

 

 インドネシアのジョコ・ウィドド(通称ジョコウィ)大統領が2019年8月に発表したインドネシアの「首都移転」計画は、日本でも大きな話題となった。しかも、移転先が現在の首都ジャカルタから1200キロも離れた東カリマンタンだったため、その妥当性や実現可能性をいぶかる意見も多かったように思われる。

 しかし、少なくともジョコウィ大統領は本気である。移転計画の詳細はこれから詰められることになるが、移転に関する大まかな青写真は、開発政策を担当している「国家開発企画庁(Bappenas)」から示されているし、ジョコウィもソーシャルメディアなどを通じて積極的に首都移転の内容やその必要性を国民に対して訴えている。

 移転に向けた準備も着々と進められている。9月に基本デザインの公募が開始され、10月にはコンサルタントにアメリカのマッキンゼー社の現地法人が指名されるなど、移転に向けた準備が着々と進められている。今後は、2020年中に基本計画であるマスタープランの策定と関連法案の制定を終わらせ、2021年には用地を確保したうえで、詳細設計に基づいた工事が始められる予定だ。

記事全文を印刷するには、会員登録が必要になります。