ロンドンで開催された北大西洋条約機構(NATO)70周年を祝う首脳会議に集まった各国首脳。しかし、「亀裂」が浮き彫りに…… (C)AFP=時事

 

 欧米の安全保障体制の要である北大西洋条約機構(NATO)が揺れている。NATO創設70周年を祝う首脳会議は、逆にこの軍事同盟に響き渡る不協和音を浮き彫りにしてしまった。

世界最強の軍事同盟だが……

 米国が率いる軍事同盟NATOは、今年創立から70年を迎えた。加盟国は、この節目を祝う首脳会議をロンドンで開いた。最初のNATO本部はこの町に置かれたからである。加盟国首脳は12月3日にバッキンガム宮殿で晩餐会に出席した後、翌日ロンドン郊外のワトフォードで全体会議に参加した。

 NATOのイェンス・ストルテンベルグ事務総長は、会議後「ロンドン宣言」を発表。この中で、

 「我々は欧米の約10億人の市民の安全と自由、民主主義を守っている。連帯と団結を要石とするNATOは、集団安全保障の基盤であり続ける。さらに同盟国の安全保障に関する、重要な協議と決定の場としての機能も維持する」

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