マクロン発言「脳死NATO」で露呈「米欧離反」の深刻度(上)

ロンドンで開催された北大西洋条約機構(NATO)70周年を祝う首脳会議に集まった各国首脳。しかし、「亀裂」が浮き彫りに…… (C)AFP=時事

 

 欧米の安全保障体制の要である北大西洋条約機構(NATO)が揺れている。NATO創設70周年を祝う首脳会議は、逆にこの軍事同盟に響き渡る不協和音を浮き彫りにしてしまった。

世界最強の軍事同盟だが……

 米国が率いる軍事同盟NATOは、今年創立から70年を迎えた。加盟国は、この節目を祝う首脳会議をロンドンで開いた。最初のNATO本部はこの町に置かれたからである。加盟国首脳は12月3日にバッキンガム宮殿で晩餐会に出席した後、翌日ロンドン郊外のワトフォードで全体会議に参加した。

カテゴリ: 軍事・防衛
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執筆者プロフィール
熊谷徹(くまがいとおる) 1959(昭和34)年東京都生まれ。ドイツ在住。早稲田大学政経学部卒業後、NHKに入局。ワシントン特派員を経て1990年、フリーに。以来ドイツから欧州の政治、経済、安全保障問題を中心に取材を行う。『イスラエルがすごい マネーを呼ぶイノベーション大国』(新潮新書)、『ドイツ人はなぜ年290万円でも生活が「豊か」なのか』(青春出版社)など著書多数。近著に『欧州分裂クライシス ポピュリズム革命はどこへ向かうか 』(NHK出版新書)、『パンデミックが露わにした「国のかたち」 欧州コロナ150日間の攻防』 (NHK出版新書)、『ドイツ人はなぜ、毎日出社しなくても世界一成果を出せるのか 』(SB新書)がある。
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