安倍首相ご本人も65歳。高齢者が高齢者をいじめる構図? (C)時事

 

 安倍晋三政権の“高齢者いじめ”が加速している。

 検討が進められている年金制度改正では、働き方改革と相まって、一見、高齢者の労働を促すことにより、その生活が改善されるように見えるが、実態面では“改悪”が進められている。加えて、高齢者の医療費自己負担額の引き上げも検討されるなど、今後、高齢者の生活は一段と悪化する可能性が高まっている。

 今年4月17日の拙稿『「年金月4万円」生活保護費「受給者増加」高齢大国ニッポンの「暗い将来」』は、読者から大変大きな反響を頂いた。

 この中で、現行の年金受給額では、特に国民年金受給者の場合「生活が維持できない高齢者」が多数存在し、高齢者世帯の生活保護受給が増加の一途を辿っていること、政府が検討している年金制度改正は高齢者の労働意欲を高め、生活改善に資するものではないことなどを指摘した。

「70歳受給開始」への布石

 現在、政府は「全世代型社会保障」に向けた年金制度改正の検討を行っているが、残念ながらこの改正は、決して高齢者の生活改善につながるようなものではない。

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