サウジアラビア・リヤドの証券取引所で上場を祝う「アラムコ」関係者ら(C)AFP=時事
 

 2019年12月11日(水)、「サウジアラムコ」(以下、アラムコ)の株式が正式にリヤドの「タダウル」市場に上場された。約4年前、副皇太子だったムハンマド・ビン・サルマーン(以下、MBS)王子が、英『エコノミスト』のインタビュー(「Transcript : Interview with Muhamad bin Salman」2016年1月6日)を受けたときに初めて「IPO」構想を発表して以来、多くの紆余曲折を経てようやく実現したものだ。

 だが、当初考えていた「アラムコ」の企業価値2兆ドルと、海外上場を含めて同社の5%のIPOを実行して1000億ドルの上場益を得ることは断念せざるを得なかった。最終的に国内市場のみで1.5%、しかも企業価値1.7兆ドル相当の株価で売り出した。これは、2014年「アリババ」の250億ドルを抜いて「史上最高のIPO」という栄冠を勝ち得るための最低線だった。

 ともあれ、「IPO」が実現して、焦点は上場後の株価の動向に移っている。

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