習近平「経済政策」は「計画経済への逆戻り」か
2019年12月17日
中国政府の公式統計によると、中国経済は6%台の成長を続けているといわれている。
しかし、裾野のもっとも広い自動車産業を例にとっても、2018年はマイナス2.8%(実績)、 2019年はマイナス10%に落ち込む見込みである。中国国内の専門家は、2020年、自動車産業はさらにマイナス6%の成長になるとみている。 3年連続のマイナス成長となる公算が高くなり、自動車産業は計1000万台分の過剰設備を抱えている計算になる。
北京で企業経営者にインタビューしたが、製造業もサービス業も、業績が前年割れの企業が増えているようである。
この現実を踏まえれば、中国経済は、政府の公式統計が示す6%台の成長を続けていることの、経済学的論理が成り立たないのである。
中国の自動車産業の内実は輸出が少なく、主に国内市場向けだ。自動車の生産販売台数が大きく落ち込んでいることから、自動車メーカーおよび部品メーカーはコスト削減と余剰人員の削減を余儀なくされている。
個別企業の経営合理化努力は、各々の企業にとって生き残るために必要な措置だが、マクロ的にみた場合、経済成長率を大きく押し下げる効果がある。
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