3年前、ブレグジット国民投票や米大統領選が世界に突き付けたのは、フェイクニュースやSNSによって簡単に民意が操作されてしまうという衝撃的な事実だった。
「ポスト・トゥルース」という言葉で表されるこの現象は、イギリスでブレグジットを巡る混迷がひと段落し、アメリカでドナルド・トランプ大統領の弾劾裁判が行われようとしている今もなお、続いている。
そんな時代にあって改めて問われているのは、民主主義の在り方だけでなく、その根底にある人間の「意志」や「決断」そのものではないだろうか。
過去の閲覧履歴をもとにAI(人工知能)がリコメンドするニュースを読み、商品を買う私たちの「意志」や「決断」は、本当に私たちのものだと言い切れるのか。自分の意志や決断だと思っていたものが実はそうではない可能性を常にはらんでいるのではないか。
そんな問いにさまざまなヒントを与えてくれるのが、12月24日に刊行された編集者・菅付雅信氏の『動物と機械から離れて AIが変える世界と人間の未来』(新潮社)である。
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