「トランプ化」が益々浸透する「共和党」

執筆者:足立正彦2019年12月25日
「次はお前だ!」と攻撃されることを共和党議員は恐れている(C)AFP=時事
 

【ワシントン発】 筆者がワシントンに勤務していてトランプ政権下の米国政治の大きな変貌という観点から最も鮮烈な印象を受けるのが、共和党の変化である。

 具体的には、ドナルド・トランプ大統領が2017年1月に就任してから約3年が経過しようとしている中、トランプ大統領の影響力が益々増大している共和党の姿である。

 合計17名の候補者が出馬していた2016年共和党大統領候補指名獲得争い当時、当初、トランプ氏が「泡沫候補」の1人としてしか見做されていなかった事実を振り返ると、共和党の変化を認識せざるを得ない。

大統領を守り抜く共和党議員

 そうしたトランプ大統領の共和党に対する影響力の増大は、「ウクライナ疑惑」を巡る大統領弾劾プロセスにも如実に反映された。

 下院情報特別委員会(アダム・シフ委員長=民主党、カリフォルニア州第28区選出)が開催した弾劾訴追に関する公開での公聴会でも、共和党下院議員らはトランプ大統領に対する弾劾プロセスは野党・民主党による政治的動機に基づいており、党派対立によるものであるとの議論を繰り返し展開した。

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