3紙揃い踏みの12月16日付社説

 

 2020年1月11日に迫った台湾総統選は、現職の民進党・蔡英文総統と国民党の韓国瑜・高雄市長の事実上の一騎打ちである。今回は米中対立の最中であり、香港のデモも絡んでいることから、かつてないほど日本でも選挙の行方に注目が集まっている。

「朝日」以外の4紙が社説を掲載

 日本のメディアの報道も活発になっているが、特に異例だったのは、総統選が告示された12月13日のあと、日本の主要新聞がこぞって、社説で台湾総統選の行方について論じたことだ。私が記憶する限り、選挙の後ならまだしも、選挙の前に社説がこれだけ多くの新聞が同時に出されたことはない。

 12月16日の朝刊で社説を掲載したのは『毎日新聞』と『産経新聞』と『読売新聞』。タイトルはそれぞれ、『毎日新聞』が「香港混乱で増す対中不信」、『産経新聞』が「中国の介入は許されない」、『読売新聞』が「蔡氏に吹く反中感情の追い風」となっている。『日本経済新聞』は台湾総統選について今年7月にすでに社説を掲載しており、通常、社説の「前打ち」は一度しかないので、今回は見送ったのかもしれない。

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