2019年4月に香港の立法会に「逃亡犯条例」の改正案が提出された時、誰がこれほどの事態を予測できただろうか。
6月に100万人規模に膨れ上がった「香港デモ」は「改正案撤回」「大学籠城」「区議選での圧勝」といういくつかの段階を経て、小休止に至っている。2020年9月には中央議会に相当する立法会の選挙が予定されており、正念場はこれからとの見方もできるという。
中国にとっても世界にとっても想定外だったに違いない「香港デモ」は一体どのようにして始まり、なぜここまで大きな国際問題に発展したのか。これからどう波及していくのか。
9人の専門家が「香港デモ」に切り込んだ『香港危機の深層 「逃亡犯条例」改正問題と「一国二制度」のゆくえ』(東京外国語大学出版会)が、12月27日に発売された。
編者は立教大学の倉田徹教授(香港政治)と東京外国語大学総合国際学研究院の倉田明子准教授(中国・香港近代史)。フォーサイト執筆陣の1人で台湾・香港問題に詳しいジャーナリストの野嶋剛さんも参加している。
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