ロウハーニー大統領の最初の来日

執筆者:池内恵2019年12月27日

今回のロウハーニー大統領の来日は、イランの大統領としては2000年のハータミー大統領以来19年ぶりの来日であり、ロウハーニー大統領にとっては初の来日である、ということが、日本での報道・論評では決まって取り上げられていた。

ただし、大統領になる以前にはロウハーニーは来日したことがある。少なくとも1回、1999年10月に、当時イランの国会副議長だったロウハーニーが公式に日本を訪問した記録がある。

この時、ロウハーニー一行が奈良の東大寺を訪ねていたことが、最近の日本側の回想録に記されている。

2014年8月27日付の日本経済新聞の「私の履歴書」の欄には、東大寺の第218世別当を2004年から2007年にかけて務め、現在は東大寺長老である、歴史学者の森本公誠先生の回想が掲載されている。

ここでは1999年のロウハーニー副議長来日の頃に、当時は東大寺の執事長・華厳宗宗務長を務めていた森本公誠先生が、ロウハーニー副議長から教理問答を挑まれ、長時間話し込んだことが記されている。

この教理問答についての森本先生の回想の冒頭部分を少し書き出しておこう。全体は日経新聞の記事をご参照いただきたい。

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