(1)談話で「非難」「否定」「威嚇」

執筆者:平井久志2019年12月29日
どちらが「待つ」立場なのか (C)EPA=時事

 

 北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長は、今年4月の最高人民会議で行った施政演説で、米国に「新たな計算法」を求めながら「いかにせよ、今年末までは忍耐心を持って米国の勇断を待つであろう」と述べた。そして今、金党委員長が期限を切った「年末」を迎えた。

党中央委第7期第5回総会を開催

 朝鮮労働機関紙『労働新聞』は12月29日、朝鮮労働党中央委員会第7期第5回総会が同28日に招集されたと報じた。同紙はこの日の会議を「第1日会議」としており、中央委総会は29日も続いているとみられ、同総会で行われた金党委員長の報告内容や、党中央委総会の具体的な決定などについては報じていない。党中央委総会の決定は30日以降に発表されるとみられる。

 党中央委総会の開催は今年4月の第7期第4回総会以来、約8カ月ぶり。党中央委総会が1日で終わらないのは極めて異例で、北朝鮮が今回の党中央委総会を重視していることがうかがわれる。

 同紙は「自主と正義の方向舵を力強く握った朝鮮労働党は、透徹した反帝・自主的立場と絶対不変の意志で幾重にも重なる厳しい試練と難関を排して革命の発展をさらに加速させ、党建設と党活動、国家建設と国防建設において提起される重大な問題を討議するために党中央委員会総会を開いた」と報じた。

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