(2)届かない「クリスマスプレゼント」

執筆者:平井久志2019年12月29日
金正恩党委員長を再び「ロケットマン」呼ばわり (C)AFP=時事

 

 米朝実務協議の北朝鮮側首席代表である金明吉(キム・ミョンギル)外務省巡回大使は11月14日、談話を発表し、米国のスティーブン・ビーガン北朝鮮担当特別代表が第三国を通じて、12月中に実務協議を再開することを求めてきたことを明らかにした。

米の「12月協議」の提案を拒否

 談話は「協商を通じた問題解決が可能であれば、任意の場所で任意の時間に米国と対座する用意がある」としながら、「去る10月初め、スウェーデンで行われた朝米実務協商の時のように、年末の時限を無難に越すために、われわれを欺こうと不純な目的を相変わらず追求しているなら、そんな協商には意欲がない」とし、事実上、この時点での実務協議開催を拒否した。

 さらに「米国がわれわれの生存権と発展権を阻害する対朝鮮敵視政策を撤回するための根本的な解決策を提示せず、情勢の変化によって瞬間に反故になりうる終戦宣言や連絡事務所開設のような副次的な問題をもって、われわれを協商へ誘導できると打算するなら、問題解決はいつになっても見込みがない」と主張した。

記事全文を印刷するには、会員登録が必要になります。