(2)届かない「クリスマスプレゼント」

執筆者:平井久志 2019年12月29日
エリア: アジア 北米
金正恩党委員長を再び「ロケットマン」呼ばわり (C)AFP=時事

 

 米朝実務協議の北朝鮮側首席代表である金明吉(キム・ミョンギル)外務省巡回大使は11月14日、談話を発表し、米国のスティーブン・ビーガン北朝鮮担当特別代表が第三国を通じて、12月中に実務協議を再開することを求めてきたことを明らかにした。

米の「12月協議」の提案を拒否

 談話は「協商を通じた問題解決が可能であれば、任意の場所で任意の時間に米国と対座する用意がある」としながら、「去る10月初め、スウェーデンで行われた朝米実務協商の時のように、年末の時限を無難に越すために、われわれを欺こうと不純な目的を相変わらず追求しているなら、そんな協商には意欲がない」とし、事実上、この時点での実務協議開催を拒否した。

カテゴリ: 政治 軍事・防衛
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執筆者プロフィール
平井久志(ひらいひさし) ジャーナリスト。1952年香川県生れ。75年早稲田大学法学部卒業、共同通信社に入社。外信部、ソウル支局長、北京特派員、編集委員兼論説委員などを経て2012年3月に定年退社。現在、共同通信客員論説委員。2002年、瀋陽事件報道で新聞協会賞受賞。同年、瀋陽事件や北朝鮮経済改革などの朝鮮問題報道でボーン・上田賞受賞。 著書に『ソウル打令―反日と嫌韓の谷間で―』『日韓子育て戦争―「虹」と「星」が架ける橋―』(共に徳間書店)、『コリア打令―あまりにダイナミックな韓国人の現住所―』(ビジネス社)、『なぜ北朝鮮は孤立するのか 金正日 破局へ向かう「先軍体制」』(新潮選書)『北朝鮮の指導体制と後継 金正日から金正恩へ』(岩波現代文庫)など。
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