「NYMEX (New York Mercantile Exchange)」上場のWTI (West Texas Intermediate)原油価格1年間推移グラフ(『FT』より)
 

 大手国際石油会社「シェブロン」は2019年12月10日、米シェールガス関連などで100億ドル(1兆円強)という巨額の評価損を計上すると発表した。2011年に55億ドル(約6000億円)で買収した「アトラス・エナジー」の米国東部アパラチア地域でのシェールガス事業が好転しそうにないからだ。

 米シェールガスを巡ってはここ数カ月、西「レプソール」、英「BP」、ノルウェー「エクイノール」なども巨額の評価損を計上している。

 これは何を意味するのだろうか。

 シェールガスとシェールオイルの関係を含め、2020年の原油市場への影響をあらためて考えてみたい。

 まずは2019年の回顧である。

 1年前、本欄に『2019年原油価格:2018年「見誤り」から分析する「シェール」「先物」動向』(2019年1月7日)を書いたが、最後を次のように締めくくっている。

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