「米イラン危機」と「キューバ危機」類似点と相違点
2020年1月15日
2020年早々、「第3次世界大戦」になるかもしれないとの危機だった。
周知のとおり、1月3日にイラク国内でイランの革命防衛隊クッズ部隊(コドス部隊やコッズ部隊とも呼ばれる)の司令官ガセム・ソレイマニが、イラクの親イランシーア派民兵組織「カタイブ・ヒズボラ」の指導者であるアブ・マフディ・ムハンディスと共に殺害された。それをきっかけとして、軍事的緊張関係がコントロール出来ないほどエスカレートするのではないかと懸念された。
現時点では、緊張関係が続いているが、当面の危機は過ぎ去ったと言えよう。
本稿では、今回の危機を1962年のキューバ危機と類似する危機と見立てて分析してみたい。
計算違いの連鎖
今回の危機は、イランとアメリカ互いの計算違いによってエスカレートしていったとみるのが適切であろう。2019年6月にイランがペルシャ湾上空を飛行するドローンを撃墜した際、ドナルド・トランプ米大統領は報復攻撃を命じたが、それが実行される10分前に攻撃中止させた。イランはこの経験から、トランプ大統領は「引き金を引けない大統領」と理解し、それに基づいて行動するようになった。
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