「サウジアラムコ」のロゴを見つめるサウジ国内の投資家の気持ちは――(C)AFP=時事
 

 43年間のサラリーマン人生を卒業した後、世の中の皆さんが「エネルギー事情」をより正しく理解できるように「お手伝いすること」を自らの任務として、「エネルギーアナリスト」を名乗って活動を開始してから「ポジショントークとならないよう」自らが関連の取引を行うことは自粛している。

 サラリーマン・トレーダーとして関与した経験から、ポジションを持って市場に向き合うと、どうしても自分のポジションに有利なような見方をしてしまうことが分かっているからだ。より客観的な情勢分析をするためには、その市場に対して「中立」であることが望ましいのではないだろうか。

 サウジアラビア(サウジ)の国営石油「サウジアラムコ」(アラムコ)の、歴史的に超巨額なIPOに関与した多くの一流銀行のアナリストたちは、同じようなジレンマを感じていないのだろうか? 

 あるいは「ファイアウォール」がきちんとしているのだろうか?

 特に、ムハンマド・ビン・サルマーン(MBS)皇太子が望んでいる2兆ドルという企業価値を大幅に上回る評価をした「ゴールドマン・サックス」(GS)はどうなのだろうか? 

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