ネット遮断に抗議するカシミールのジャーナリスト(C)EPA=時事
 

 インドでイスラム教徒を中心とした反政府デモが繰り広げられている。

 その発端は2019年12月11日、インド政府が「市民権改正法」(CAA)と呼ばれる新しい法律を成立させたこと。このCAAは、インドの隣国であるパキスタンやアフガニスタン、バングラデシュの3カ国から2014年12月31日までに入国した移民を対象に、市民権の取得手続きを迅速化しようというものだ。

 問題なのは、CAAがイスラム教徒を対象外にしていること。これに、インド国内のイスラム教徒が憤り、各地で怒りの声を上げたのである。

「国を去らなければ拘束する」

 そもそもインドのナレンドラ・モディ政権と、モディ首相が率いる与党「インド人民党」(BJP)は、ヒンドゥー至上主義を掲げており、今回のCAAも恣意的なイスラム教徒排除だと指摘されている。

 モディ首相は日本ではあまり悪いイメージがないが、インド国内ではイスラム教徒に辛辣な強硬派という印象がある。BJPは、過激なヒンズー至上団体である「民族義勇団」(RSS)を支持母体とし、モディ首相自身もRSSとの関係性をますます強めている。

記事全文を印刷するには、会員登録が必要になります。