実は半年前から「生産ブレーキ」シェールオイル業界の実情
2020年1月21日
米国を世界最大の原油生産国に押し上げ、2019年9月には「月」単位で、統計を取り始めた1973年以来初めて「純輸出国」(原油+石油製品:輸出量>輸入量)たらしめたのがシェール革命であることは、今では常識となっている。
だが、業界外の友人・知人と話していると、たとえば「シェールガス」と「シェールオイル」を誤認して同一視している人が多いことに驚かされることが度々ある。
残念ながら、認知度は依然としてそんな程度なのだ。
したがって、いわば「隠れた余剰生産能力」として「DUC」なるものが存在していることは、業界関係者以外は知らない事実だろう。
「DUC」とは「Drilled but Uncompleted well」の略語で、筆者は「掘削済み、未仕上げ坑井」と説明している。「掘削」して、オイルやガスの胚胎しているシェール層までは到達しているが、それを生産に結び付けるためのケーシング(むき出しの坑井に内枠をつけること)やセメンチング、あるいはパーフォレイティング(穴あけ)や水圧破砕などの「仕上げ」作業を行っていない坑井のことだ。
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