憲法改正「1月革命」はプーチン時代「終わりの始まり」か
2020年1月22日
ロシアのウラジーミル・プーチン大統領が1月15日の年次教書演説で発表した一連の憲法改正案は、権力機構を再編するもので、ロシアのメディアでは「1月革命」と呼ばれている。1993年に米政府の協力も得て制定された現行憲法の初の大掛かりな修正となる。
プーチン大統領が2024年の任期満了後も実権を握るための布石とされるが、自身がどのポストに就くのかは明らかでない。
改正が実現すれば大統領の権力は弱まり、権力が分散して政治の不安定化につながる恐れもある。
年内に憲法改正も
プーチン氏が提案した統治機構の改革指針は次の7点だ。
(1)首相や閣僚の任命権限を大統領から下院に移し、議会の責任を重くする。大統領は議会の任命した閣僚を拒否できない。
(2)ロシアは引き続き大統領制国家であり、大統領は軍や情報機関を直接管轄する。大統領の任期は「連続2期まで」から「2期まで」に制限。
(3)大統領候補になる条件は、ロシア国内に25年以上(現行は10年以上)住み続けた国民であること。1度でも外国の市民権や居住権を得た人物は候補になれない。
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