将来展望は厳しい
 

 2020年1月15日、米国エネルギー省傘下の「EIA」(エネルギー情報局)が『STEO=Short-Term Energy Outlook』(短期エネルギー展望)2020年1月号を発表し、米国天然ガス価格の将来が決して明るくないことを示した。

 冒頭に掲げたグラフにあるように、2021年末まで100万英国熱量単位(MMBTU)あたり2ドル台半ばで推移する見通しだというのだ。

 一方で、米中貿易戦争は「第一段階合意」に達したものの、中国側が米国産LNG(液化天然ガス)に課している25%の追加関税を撤廃する動きはなく、米国の「LNG第2の波」は沖合から岸辺へと押し寄せる力を得られるのだろうかといぶかしく思っていた。

 同『STEO』2020年1月号によると、天然ガスの輸出入見通しは次のとおりとなり、石油に先立って2017年に「年」ベースで「純輸出国」となった勢いは加速する見込みとなっている。

 

 ちなみにP/L(パイプライン)ガスの輸出先はカナダとメキシコであり、輸入先はカナダである。旧「NAFTA」(北米自由貿易協定)の重要性は一目瞭然だ。

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