サウジ・アラムコ株は「日本国債」なのか

執筆者:池内恵2020年1月27日

この欄では、元来は「有料・会員限定ツイッター」のようなものにしたかったのだが、毎度、本格的な論考に近いものを載せることになってしまい、いきおい更新頻度が下がる。今度こそつぶやきに戻していきたい。

先月・昨年末からつぶやきたかったのは「サウジ・アラムコ株は『日本国債』なのか?」という一言である。これ一言で、経済と中東の両方に詳しい人は「ニヤリ」としてくれるだろう。

実際、忘年会・新年会などで顔を合わせた専門家との会話ではこの論点を提起してみて、それぞれの専門性からの反応をもらって、やりとりをして楽しく過ごしたのだが、考えてみればこの論点は、もう少し広く提起しておいても良さそうである。

アラムコのIPOについては、ムハンマド・ビン・サルマーン皇太子の経済政策・改革プランの目玉、あるいは大前提・根幹となる資金源として、鳴り物入りで打ち出されたが、紆余曲折の上、昨年12月11日にサウジ国内の市場「タダーウル(タダウル)」に上場し、直後に一定の株価上昇があったので、その段階で「成功」とする報道・評価も目立った。

しかしその後株価が低迷していることも、『フォーサイト』の読者にはすでに知られているだろう。

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