昨年から注目してきた、サウジアラビアやイスラエルが絡んだ国際政治における、スマホ・ハッキング問題であるが、「Amazon.com」の創設者であり、『ワシントン・ポスト』のオーナーでもあるジェフ・ベゾス氏のスマートフォンを、サウジのムハンマド・ビン・サルマーン皇太子とその周辺がハッキングした、という疑惑を国連の特別報告者たちが取り上げたことで、この問題にまつわる騒動が再び活性化している。

まず昨年半ばに書いておいた記事を再掲する。

池内恵「イスラエルNSO社のスマホ・ハッキング技術の有力顧客は湾岸産油国」2019年5月15日

池内恵「緊張高まるペルシア湾岸情勢9:スマホ・ハッキング問題でイスラエル・サウジ・イランをつなぐ「点と線」」2019年5月16日

その上で、最近のめぼしい記事へのリンクを貼っておこう。まず、国連特別報告者たちが、サウジのムハンマド皇太子本人と周辺によるベゾス氏の携帯のハッキングについて公然と問題視した報告について、『ロイター』の報道と解説を紹介しておく。

問題になっているのはやはり、イスラエルのNSO社のソフトの使用であり、イスラエルと表向き敵対しているはずのサウジアラビアの中枢がこれに頼っているという点が注目される。

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