前途多難な2人が「落ち着く先」はどこになるのか (C)EPA=時事
 

 つい先日まで英国で大騒ぎをしていた欧州連合(EU)離脱問題は、昨年暮れの総選挙が終わると一気に関心が冷え込んだ。もう1月31日の期日に粛々と離脱するしかなく、人々は議論に飽きてしまったようだ。

 年が明け、これに代わってトップニュースを占めたのは、ヘンリー王子(35)とメーガン妃(38)の英王室離脱問題である。EU離脱のブレグジットにならって「メグジット」という言葉も生まれ、「ブレグジット同様に移行期間に突入か」「いや、合意なき離脱だ」などと、英国民の会話を賑わせた。

 この騒ぎは、英王室の閉鎖性や英メディアのスキャンダル報道の是非などの面から論じられることが多いが、ここではやや異なる視点から問題を見てみたい。ヘンリー王子の地位そのものが持つ特性についてである。

枠から外れた2人

 出来事をざっと振り返っておきたい。

 チャールズ皇太子と故ダイアナ元妃の次男ヘンリー王子が米国人メーガン・マークルさんと結婚したのは、2018年5月のことだった。

 ロサンゼルス出身の彼女は人道活動家として自らを売り込んでいたが、本職はあまりぱっとしない女優で、ヘンリー王子より3歳年上。離婚歴があり、母親はアフリカ系だった。英王室としては異例の結婚相手であり、英大衆紙はゴシップ的な報道を繰り広げた。

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