図1 重要国土地域の指定手続きの流れ(筆者作成・本文参照)

 

「土地売買規制法案」は、2013年の第185回衆議院内閣委員会で提出され、審議(質疑応答)がなされた。

 成立はしなかったが、与野党の議員から賛同者が出るなど一石を投じた形とはなった。

 法案は1万3000字を超えるため、ポイントのみを抜粋する。

最小限の範囲を「重要国土」に指定

 第1章第1条は、

「国家安全保障の観点から支障となるおそれがある重要な土地等について、自由な経済活動との調和を図りつつ、その取引等に対し必要最小限の規制を行うこと等により、わが国の平和及び安全の確保に資することを目的とする」

 とした。

 ようは、国の防衛その他日本の存立にかかわる外部からの脅威から、日本及び国民の安全を保障することを目的とする、との意味だ。

 規制の方法は第4条などで示した。

 また、「国家安全保障の観点から重大な支障となるおそれがある区域」を「第1種重要国土区域(以下、第1種)」として指定するとした。

 具体的には、防衛施設(在日米軍施設を含む)や原子力関連施設、国境離島を明記し、自治体と国によって将来的に新たに指定が可能となる内容とした。海上保安庁施設や石油備蓄基地、一部の空港、総理官邸や官庁街なども想定している。

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