ようやく「打つ手」を見つけた黒田日銀総裁だが…… (C)時事
 

 世界の中央銀行が、金融政策の一環として気候変動を中心とした環境問題に取り組もうとしている。

 2019年11月28日には、日本銀行も「気候変動リスクに係る金融当局ネットワーク」(NGFS=Network for Greening the Financial System)へ参加を表明した。

 いま何故、中央銀行が気候変動問題に取り組むのか。

各国中央銀行が「NGFS」を組織

 中央銀行の気候変動問題に対する取り組みの口火を切ったのは、NGFSだ。

 NGFSは2017年12月12日、英イングランド銀行、ドイツ連邦銀行、フランス銀行、オランダ銀行、スウェーデン金融監督機関、シンガポール通貨金融庁、中国人民銀行、メキシコ銀行の中央銀行8行により設立された。

 その目的は、

「地球温暖化対策として先進国、発展途上国を問わず、すべての国が参加し、世界の平均気温の上昇を産業革命前の2℃未満(努力目標1.5℃)に抑える」

 という、2020年以降の地球温暖化対策の国際的枠組みを定めたパリ協定の「2℃目標」を達成するため、気候変動に関する金融リスク管理や、環境分野への投資促進の強化に向け協働すること、である。

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