1月23日、イスラエルで行われたホロコーストの犠牲者を追悼する式典で演説するプーチン露大統領。そこで語ったこととは…… (C)AFP=時事
 

 ロシアのウラジーミル・プーチン大統領が1月23日、イスラエルで開かれた第2次世界大戦のホロコースト(ユダヤ人大量虐殺)の犠牲者を追悼する式典で演説し、国連安全保障理事会の常任理事国(P5=米国、英国、フランス、ロシア、中国)による首脳会談を年内に開催するよう提案した。終戦から75周年の節目に、「戦勝国」の会合を画策するプーチンの思惑はどこにあるのか。

 プーチン大統領はこの演説で「欧州の解放者」としてのソ連の功績を強調しながら、

 「(第2次大戦で)侵略者を破滅させて、戦後の秩序づくりを主導した国々による首脳会議は、今日の課題と脅威に協力して立ち向かうために大きな役割を担う」

 などと表明した。ロシアは今年5月9日にモスクワで開く対独戦勝75周年式典に合わせて、P5首脳会談の開催を模索していると見られている。

P5会談でウクライナ侵攻を帳消しに

 前回行われた2015年の70周年式典では、前年にロシアが強行したウクライナ領クリミア半島の武力併合と同国東部への軍事介入を理由に、欧米首脳がそろってボイコットした。

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